┌────────────────────────────────────── │ │ The Gentleman's GAME │ │ Comp-13(イチ・サン) │ └────────────────────────────────────── 考案:根本 一也(ひとや) ルール説明:野口 忠司 初版:昭和58年 2月11日 2版:昭和62年 8月13日 3版:平成19年 6月 1日 ■Comp-13とはどんなゲームか? このゲームは、場の中央に伏せてある山札を中心に、4つの場札の組に対して、手持 ちの札(手札)を出したり、交換することで場札の数を変化させて、1つの場を13に したり(Compという)、4つの場の合計を52にする(All-Groundとい う)ことで、場札中にある絵札を集め、その枚数を競うというカードゲームです。 私の友人であった(故)根本一也君が高校時代に考案したもので、13進数を扱うと いうちょっと高度なゲームですが、これがなかなか難しくて楽しいものがありました。 当時の化学部のメンバーを中心にマイナーな流行をしましたが、日の目を見ないまま時 が過ぎ、最近になってルールブックを見つけました。 このゲーム、少々疲れますが、頭の体操にはおもしろいかもしれません。 このゲームは、原則としては4人でプレーを行いますが、2人でもプレーできなくは ありません。親決めについても正式なルールはややこしいので、ジャンケンで決めても 良いかもしれません。使用するカードは通常のルールではジョーカーを除く52枚です が、別途ジョーカー入りルールというのも存在します。ジョーカー入りルールではジョー カー1~3枚を加えた53~55枚でプレーを行います。 ■ゲーム用語について このゲームのルールを説明する前に、カードゲームおよびComp-13でのゲーム 用語を説明しておきます。 ・絵札…A(エース)、10、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)の5種 類のカード。スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4つのスート(マーク)が あるので、合計で20枚あります。 ・スート…スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4つのマークのこと。 ・数位(札の数、ランク)…各札の持つ重みのこと。Aは1、2~10は2~10その まま、Jは11、Qは12、Kは13となる。ジョーカー入りルールにおいては、 ジョーカーは、数位=0として扱う。 ・場…ゲームを行う、山札と場札と置かれた場所のこと。Comp-13を始めること を「場を広げる」という。 ・山札…場の中央に伏せて積まれたカードの山のこと。 ・場札…山札の周りに、四方に置かれた表向きのカードのこと。それぞれの「場」には、 親決めの際に山札から1枚ずつ置かれる。 「場」には、以下のルールがある。 プレー中には1枚~5枚まで場の枚数が変化する。 ┌───┐ ◎それぞれの「場」の「場の数」は、20以下で │ │ あること。「場の数」とは、それぞれの「場」に │ 場 │ 置かれた札の「数位」の合計であり、例えば、ハ │ A │ ートのJとハートの3の「2枚場」ならば、「場 │ │ の数」は14であるという。 └───┘ ◎4つの「場」の「場の数」の和は、52以下であ ┌───┐ ┌───┐ ┌───┐ ること。例えば、場Aが14、場Bが12、場C │ │ │ │ │ │ が15のとき、場Dは11以下でなければならな │ 場 │ │ 山 │ │ 場 │ い。仮に場Dがスペードの10だとすると、場D │ D │ │ 札 │ │ B │ にスペードのAは出せるが、スペードの3では5 │ │ │ │ │ │ 4になってしまうので出せない。 └───┘ └───┘ └───┘ ◎1つの「場」は、同じスートの札の集まりである ┌───┐ こと。例えば、上記の例では、場DにハートのA │ │ を出すことはできない。 │ 場 │ │ C │ ◎ジョーカーは、常に単独の場であること。ジョー │ │ カーは手札から場に出すことはできない。常に山 └───┘ 札からめくられて出ることになる。 ・場の数(場札の数)…1つの場札にある札の数の合計。例えば、クラブの2とクラブの Qが場Aにあったとすると、場Aの「場の数」は、2+12で14であるという。 ジョーカーは「場の数」は0である。どれか1つの場の「場の数」を13にする プレーをComp(コンプ)と呼び、4つの場の「場の数」を52にするプレー をAll-Ground(オール・グラウンド)と呼ぶ。 ・場の枚数…それぞれの場の札の枚数。 ・1枚場…それぞれの場が、単独の札でのみ構成されるとき、これを1枚場(まいば)と 呼ぶ。単独の場とも呼ぶ。1枚場の絵札は、Compによって自分の取札にでき る。 ・2枚場…それぞれの場が、2枚以上の札で構成されるとき、これを2枚場という。「場」 のルールから、最大で5枚場になることもあるが、通常は1枚場以外を2枚場と 呼んでいる。2枚場の中に含まれる絵札は、3枚CompまたはAll-Gro undによってのみ自分の取札にすることができる。 ・単独の絵札…1枚場の絵札のことを「単独の絵札」と呼ぶ。 ・手札…各プレーヤーの手持ちの札。最初に各プレーヤーには4枚ずつの札が配られる。 ブレーを進めていくにあたって、手札から場札に、または場札から手札に札は移 動する。手札中の「K」やジョーカーは、CompとAll-Groundとい うプレーによって取札にすることができる。詳細は、CompとAll-Gro undの項を参照のこと。 ・取札…各プレーヤーが、場札(および自分の手札)より取った絵札やジョーカーのこと。 絵札やジョーカーが取れるのは、CompとAll-Groundというプレー によってのみとなります。 ・仮親…親決めの際に、最初に山札をめくる人のこと。初回は年長者が行い、2回目以降 は前回の勝者が行う。 ・裏札…親決めの際にのみ使用する言葉で、同色のスートで、同数位のカードのこと。 例えば、「ハートのQ」に対して「ダイヤのQ」、「クラブの6」に対して「ス ペードの6」など。ジョーカーには裏札はありません。 ・場札の評価…親決めの際にのみ使用する言葉で、山札からそれぞれの場に出された場札 に対する裏札を4人のプレーヤーが誰も持っていなかったときに、各場の場札を 評価することをいう。①札の数が大きい順、②同数位の場合にはスートの順(ス ペード→ハート→ダイヤ→クラブの順)で決定する。ジョーカーは常に最下位で ある。 ・Comp(コンプ)…どれか1つの場について、「場の数」を13にするプレーのこと。 但し、1枚場の「K」の交換や、山札から「K」をめくって「場の数」が13に なった場合については、Compしたとは言わない。 ・2枚Comp…Compした場(場の数を13にした場のこと)が、2枚であった場合、 2枚Compと呼び、Compした場とそれ以外の単独の絵札が取札にできる。 例えば、場Aに「ハートのJ」があるとき、手札中の「ハートの2」を場Aに出 す(付ける)と場の数は13になります。このとき、他の場に単独の絵札があれ ば、これをどれか1つ取札にすることができます。 ・3枚Comp…Compした場(場の数を13にした場のこと)が、3枚(以上)であ った場合、3枚Compと呼び、Compした場とそれ以外のどれか1つの場の すべての絵札が取札にできる。例えば、場Aに「ハートのQ」があるとき、手札 中の「ハートのA」を場Aに出す(付ける)と場の数は13になります。このと き、場Bには、「スペードのK」と「スペードの5」があったとします。3枚C ompの場合には、場Bの「スペードのK」も自分の取札にすることができます。 ・All-Ground…4つの場について、「場の数」の和を52にするプレーです。 All-Groundの場合には、場にあるすべての絵札を自分の取札にするこ とができます。 ・流れ…プレーをせずに、4つの場の「場の数」の和が52以上になること。 次の3つがあります。 ①親決めの際に、山札から場にめくった札がすべて「K」であった場合。但し、裏札を 確認するために3枚まで山札からめくって、3枚目で裏札があり、裏札を持った親が 残りの場にKを出すケースはAll-Groundとして扱います。 ②All-Groundのあとで、山札から場にめくった札がすべて「K」であった場 合。 ③Compのあとで、流れた場に山札から札をめくり、4つの「場の数」の和が52以 上になった場合。 ■ゲームの進め方 まず、はじめに親を決めます。親決めでは、 ①各プレーヤーへ手札4枚を配る。 ②4つの場に1枚ずつ札を出す。 ③正式な親を決める。 ということが行われます。 次に、以下に示す5種類のいずれかのプレーをしてきます。プレーヤーは順番に以下の いずれかのプレーを行う必要があり、パスはできません。 ①ある場に対して、手札から同じスートの札を1枚出す。手札は1枚減り、場札は1枚 増える。場の数は増えることになるが20を超えてはならない。場の数を13にした らCompとなる。 ②1つの1枚場に対して、その場と同じ数位の札を手札から出して交換する。例えば、 場に「クラブの8」があるとき、手札中の「ハートの8」と交換するケースなどであ る。手持ちに「ハートの5」があれば、2巡目のプレーの際にCompにこぎ着ける かもしれない。このプレーでは手札も場札も枚数・場の数とも変化しない。場のスー トを変えるだけの効果がある。尚、ジョーカーはスートのないカードとして扱うため、 ジョーカー同士の交換はできない。 ③1つの2枚場に対して、手札の1枚と場札の1枚を交換する。①と並んで多く行われ るプレーである。手札と場札は当然同じスートでなければならない。例えば、ある場 が「ダイヤの9」と「ダイヤの2」であるとする。この場を13にするには、手持ち に「ダイヤの2」が必要であるが、同じ札は2枚無いので無理であるが、手持ちに 「ダイヤの4」か「ダイヤのJ」があれば、Compとなる。9+4のCompより も、2+11のCompの方が取札は増える。手札中にあったJを取札にすることが できるプレーである。 ④③のプレーのバリエーションであり、手札1枚:場札1枚の交換ではなく、手札1枚: 場札2枚の交換を行う。当然ながら手札と場札は同じスートである必要がある。また、 1:2の交換の場合には、「手札の数位」=「場札2枚の数位の和」である必要があ る。交換は、手札1枚:場札2枚までであり、1:3などの交換はできない。 ⑤上記のいずれのプレーもできない場合、あるいは、パスをする場合には、山札から1 枚札を取り、手札に加える。 これらのプレーの中でCompやAll-Groundという「13」と「52」を場 に作ることで絵札を集めていきます。 最終的に山札がなくなるか、「流れ」になったところで、1ゲームが終了します。正式 には、12ゲームで覇者を決めるというルールですが、これにこだわる必要はありません。 ■親決め Comp-13の親決めは、少々複雑です。次のように行います。 1.まず、仮親を決めます。初回は年長者。次回からは前回のゲームの勝者が仮親となり ます。 2.仮親は、カードをシャッフルして、各プレーヤーに4枚ずつ札を配ります。仮親から 1枚ずつ右回り(左隣り)に札を配っていきます。 3.手札を配り終えた札を山札として場の中央に置き、山札から1枚めくって仮親の前に 置きます。説明の都合上、この場を「場A」と呼びます。 4.各プレーヤーは、手札中に「場A」に対する「裏札」があるかどうかを調べます。こ こで、裏札を持つプレーヤーがいれば、その人が親となります。親は、山札をめくっ て「場B」「場C」に1枚ずつ置きます。「場D」には、自分の手札中から札を1枚 出して置きます。絵札を含めてどの札でも「場D」に出すことができますが、ジョー カーだけは出すことができません。実際のプレーは、親の次の人(左隣り)から始め ます。 5.「場A」に対する裏札がなければ、仮親は山札から1枚めくって「場B」(左隣り、 下手の人の前)に札を置きます。各プレーヤーは、「場A」の時と同様に、この札に 対する「裏札」を調べ、裏札を持つプレーヤーがいれば、その人が親となります。 「場C」には山札より、「場D」には親が手札より札を1枚ずつ出します。実際のプ レーは、親の次の人(左隣り)から始めます。 6.「場A」「場B」に対する裏札がなければ、仮親は山札から1枚めくって「場C」 (仮親の対面)に札を置き、同様に裏札を調べます。裏札を持つプレーヤーがいれば、 その人が親となります。「場D」には親が手札より札を1枚出します。実際のプレー は、親の次の人(左隣り)から始めます。 ※ここまでで、親が決まるケースでは、親は必ず「場D」に自分の手札から1枚の札を出 さなくてはなりません。ここでは、ジョーカーを除くすべての札を出すことができます。 仮に「場A」〜「場C」がすべて「K」の場合、親が残りの「K」を持っていれば、 「場D」に「K」を出すことでAll-Groundとなり、すべての「K」を取札に することができます。 7.「場A」〜「場C」に対する裏札がなければ、仮親は山札から1枚めくって「場D」 に札を置きます。この札に対する「裏札」を調べ、裏札を持つプレーヤーがいれば、 その人が親となります。実際のプレーは、親から始まります。 ※ここで「場A」〜「場D」に山札から1枚ずつ札が置かれましたが、これがすべて 「K」の場合には、この回は「流れ」となります。「流れ」となった場合には、手持ち の絵札のみマイナスされて得点となります。 8.「場A」〜「場D」に対する裏札がなかった場合には、各自の目の前の札を評価して、 もっとも大きい札のある場の前に座っている人が親となります。そして親から順に プレーを始めます。 ■プレーの種類 親決め後から、ゲーム終了までに行われるプレーには以下の5種類があります。 ①場札に手札を1枚つける ②1枚場の交換(スートの変更) ③手札と場札の交換(手札1枚:場札1枚) ④手札と場札の交換(手札1枚:場札2枚) ⑤山札から取る ①ある場に対して、手札から同じスートの札を1枚出す。手札は1枚減り、場札は1枚 増える。場の数は増えることになるが20を超えてはならない。場の数を13にした らCompとなる。 ②1つの1枚場に対して、その場と同じ数位の札を手札から出して交換する。例えば、 場に「クラブの8」があるとき、手札中の「ハートの8」と交換するケースなどであ る。手持ちに「ハートの5」があれば、2巡目のプレーの際にCompにこぎ着ける かもしれない。このプレーでは手札も場札も枚数・場の数とも変化しない。場のスー トを変えるだけの効果がある。尚、ジョーカーはスートのないカードとして扱うため、 ジョーカー同士の交換はできない。 ③1つの2枚場に対して、手札の1枚と場札の1枚を交換する。①と並んで多く行われ るプレーである。手札と場札は当然同じスートでなければならない。例えば、ある場 が「ダイヤの9」と「ダイヤの2」であるとする。この場を13にするには、手持ち に「ダイヤの2」が必要であるが、同じ札は2枚無いので無理であるが、手持ちに 「ダイヤの4」か「ダイヤのJ」があれば、Compとなる。9+4のCompより も、2+11のCompの方が取札は増える。手札中にあったJを取札にすることが できるプレーである。 ④③のプレーのバリエーションであり、手札1枚:場札1枚の交換ではなく、手札1枚: 場札2枚の交換を行う。当然ながら手札と場札は同じスートである必要がある。また、 1:2の交換の場合には、「手札の数位」=「場札2枚の数位の和」である必要があ る。交換は、手札1枚:場札2枚までであり、1:3などの交換はできない。 ⑤上記のいずれのプレーもできない場合、あるいは、パスをする場合には、山札から1 枚札を取り、手札に加える。 「場」には、以下のルールがあります。 ┌───┐ ◎それぞれの「場」の「場の数」は、20以下で │ │ あること。「場の数」とは、それぞれの「場」に │ 場 │ 置かれた札の「数位」の合計であり、例えば、ハ │ A │ ートのJとハートの3の「2枚場」ならば、「場 │ │ の数」は14であるという。 └───┘ ◎4つの「場」の「場の数」の和は、52以下であ ┌───┐ ┌───┐ ┌───┐ ること。例えば、場Aが14、場Bが12、場C │ │ │ │ │ │ が15のとき、場Dは11以下でなければならな │ 場 │ │ 山 │ │ 場 │ い。仮に場Dがスペードの10だとすると、場D │ D │ │ 札 │ │ B │ にスペードのAは出せるが、スペードの3では5 │ │ │ │ │ │ 4になってしまうので出せない。 └───┘ └───┘ └───┘ ◎1つの「場」は、同じスートの札の集まりである ┌───┐ こと。例えば、上記の例では、場DにハートのA │ │ を出すことはできない。 │ 場 │ │ C │ ◎ジョーカーは、常に単独の場であること。ジョー │ │ カーは手札から場に出すことはできない。常に山 └───┘ 札からめくられて出ることになる。 最初1枚場だった場は、①のプレーで2枚場に変えることが可能です。2枚場の場合、 「場の数」は3?20まで変化させることが可能であり、①や③のプレーによって「場の 数」を増やしたり、③のプレーでは「場の数」を減らすこともできます。「場の数」を増 やすか減らすことでCompすることができるわけです。「8」なら「5」、「J」なら 「2」のように互いに13になる組み合わせでCompできます。「10」と「2」と 「A」という組み合わせも可能です。 ルールの2番目にあるように、4つの場の「場の数」の和は52を超えることはできま せんから、All-Groundは、常に増加のアプローチでのみ可能です。個々の場は 1?20までの「場の数」にできるので、Compについては、増加/減少の両方向から のアプローチが可能になります。 実際に、CompやAll-Groundにより、絵札(ジョーカー)が取れるのは、 ①と③のプレーのみとなります。他のプレーは、その補助プレーであって、実際には絵札 は取れません。 (解説) ①場札に手札を1枚つける CompやAll-Groundをしたり、場の数を増やしたり、③のプレーと並ん でよく使われます。 ②1枚場の交換(スートの変更) 場札のスートを変えることができます。2枚場はスートが確定してしまっているので、 スートは変えられません。④のプレーで2枚場から1枚場に変更してからであれば、 スートを変えることができます。 ③手札と場札の交換(手札1枚:場札1枚) CompやAll-Groundをしたり、場の数を増やしたり、減らしたりできま す。もっとも良く使われるプレーでしょう。例えば、場に「K」があるとき、手元に 「8」と「5」があるなら、こういうやり方もあります。最初に「K」に「5」を① のプレーでつけておき、単独の絵札でなくし、他人の2枚Compでの絵札取得を阻 止します。次の回で「8」と「K」を交換して、Compし、手持ちの「K」を取札 にするルール(Compの項を参照)により、「K」も取札にします。 ④手札と場札の交換(手札1枚:場札2枚) 場の枚数を減らすのに使います。1枚場にするケースはもちろんですが、例えば「A」 「9」「2」の3枚ある場に対して、手持ちの「J」と場にある「9」「2」を交換 して、次に順番が回ってきたときに、場札の「A」と手札の「2」を③のプレーで交 換してCompするケースなども考えられます。「A」は手札に残りますが、数位が 低くて使いやすいカードなので、このようなプレーは結構起こります。他のプレーヤー は最初の時点で作戦に気づき、場の数や枚数を変化させてプレーを阻止したりします。 ⑤山札から取る 何もできないときや、手札を増やす場合に使いますが、ゲームの終了時に絵札がある と減点になるので、手がある場合には無意味に手札は増やさない方がよいでしょう。 ■All-Ground(オール・グラウンド) プレーによって、4つの場の「場の数」の和をちょうど52にしたとき、All-Gr oundといって、場にあるすべての絵札を自分の取札にすることができます。Comp とAll-Groundが同時に起こった場合には、All-Groundを優先しなけ ればなりません。 All-Groundの場合には、以下のようにします。 1.All-Groundをしたプレーヤーは、場にあるすべての絵札およびジョーカー を取札にできます。 2.各プレーヤーは、手札中にあるすべての「K」およびジョーカーを自分の取札にでき ます。 3.4つの場はすべて流され、山札より札を1枚ずつめくり、新しい場をつくります。 4.このとき山札が4枚以下で、場に出すと山札が無くなる場合には、ゲーム終了となり ます。 5.3で場に出た札がすべて「K」の場合には、「流れ」となり、この時点でゲームは終 了となります。 ※流された絵札以外の札は、捨て札となり、その回のプレー中は使われることはありませ ん。 ■Comp(コンプ) プレーによって、ある場の「場の数」を13にしたとき、「Compした」といいま す。また、そのときの場札の枚数によって、 場札が2枚なら………2枚Comp 場札が3枚以上なら…3枚Comp といって、以下の条件で絵札が取れます。 1枚場の「K」の交換については、Compしたとは言いません。 1.「Compした」場に絵札があれば、Compしたプレーヤーは、その場の絵札を すべて取札にできます。 2.「Compした」場は、絵札の有無にかかわらず流さなければならない。 3.「Compした」場以外に、絵札のある場があるとき、 ①2枚Compのとき…「Compした」場以外に、単独の絵札がある場合のみ、C ompしたプレーヤーは、これらのうちどれか1枚を自分の取札にできます。 ②3枚Compのとき…「Compした」場以外に、絵札を含む場があれば、Com pしたプレーヤーは、これらのうち「いずれか1つの場」のすべての絵札を自分の 取札にできます。 4.「Compした」場以外に、上記の条件に合う絵札のある場がなければ、取札には できない。また、ジョーカーは絵札ではないのでCompによっては取札とできな い。 5.3で絵札の取られた場については、流さなければならない。 6.Compしたプレーヤー、および、その次の順番のプレーヤーが、「Compした」 場と同スートの「K」を手札中に持っている場合、それぞれその「K」を自分の取 札にできる。 7.流れた場には、山札から1枚(ずつ)札を置いて、4つの場とする。 8.山札が1枚ないし2枚のときには、7により山札が無くなった時点でゲーム終了と なります。 9.7により、4つの場の「場の数」の和が52以上となった場合には、「流れ」とな り、この時点でゲームは終了となります。 ※流された絵札以外の札は、捨て札となり、その回のプレー中は使われることはありま せん。 ■ゲームの各回の終了と得点計算 山札がなくなるか、流れになった時点で各回のゲームは終了となる。流れの場合も含 めて、各プレーヤーは自分の得点を計算しなければならない。 <得点の計算> 1.自分の取札の枚数を数えて、1枚1点として得点とする。 2.次に自分の手札中の絵札の枚数を数えて、1枚1点として減点する。 3.ジョーカーがある場合には、取札の場合は+3点として手札の場合には-2点とし て計算する。 4.取札の中に「K」が4枚あれば、+3点を加算する。 5.取札の中に「K」以外の同数位の絵札が4枚あれば、それぞれについて+2点を加 算する。 6.これを各回の得点とする。得点の多いプレーヤーがその回の勝者となる。尚、同点 の場合には、減点数の少ない方の勝ちとする。 7.6で減点数も同じ場合には、勝者は「札の数」の和の大きい人とする。これでも同 じ場合には、その回の親から見て先にプレーをしていた順、ちなわち、親→親の左 隣り→親の対面→親の右隣りの順とする。取り札の札の数の和を求める場合におい て、ジョーカーは0として数える。 次の回は、今回の勝者を仮親として親決めより始める。12回終了の時点での覇者の 決め方は、12回の得点が最も高い人となります。但し、同点の場合には、もっとも勝 ち数の多い人とします。 ■ジョーカー入りルールについて 本来のComp-13においては、ジョーカーは入っていませんでしたが、途中から ジョーカー入りルールが考案されました。ジョーカー入りルールの場合、使用するカー ドは53枚が普通ですが、好みによりジョーカーは3枚(計55枚)まで増やすことが できます。 ジョーカーは、スートのない数位が0の札であって、手札にきた場合には場に出すこ とはできません。親決めの際にも裏札とはなりませんから、手札中や場札中に出てくる のは、山札から配られた(めくった)ときのみとなります。手持ちは減点対象ですので、 文字通りのジョーカーとなります。場札に置かれたジョーカーは、その場がないものと してプレーを続けなければなりません。ジョーカーはAll-Groundによっての み取札となります。 3つの場でAll-Groundをするのは、かなり難しくなります。また、ジョー カーを2枚以上入れた場合には、All-Groundが成立しませんから、手札であ っても場札であってもゲーム終了まで残ることになります。 ■終わりに このゲーム、プレーをできる人が限られているので、とてもマニアックなものになり ます。場の数の変化を常に13進数で見ていくという数学好きの一也らしい発想になっ ています。このゲーム勝つ秘訣は一言で言うと「相手の心を読むこと」と「運」です。 ゲームの名前のCompには、「計算する」という意味がありますが、「比べる」の 意味もあるそうです。 頭に「The Gentleman's GAME」とありますが、彼曰く「これは紳士のたしなみ」だそ うです。若くして亡くなった友人、根本一也君にこのルールブックをおくります。 Copyright 1983-2014 (c) by T.Noguchi & H.Nemoto=====