栗の渋皮煮の作り方
- 2017年10月27日(金) 11:39 JST
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- 投稿者:
- turbo
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まずは素材の見極めですが、複数の日数に分けて収穫した場合、しっかりと水に浸けるなりして乾かさないことです。特にイガ頭の部分は乾いてしまうと鬼皮を剥く際に傷が付くので注意です。新鮮な傷の無いモノなら1週間程度は浸けておいても問題はない感じです。
次に、下ごしらえですが、最低でも丸1日水に浸けたクリを用いて、イガ頭の平たい側に隠し包丁を入れて、熱湯にくぐらせます。これを少し置いておいて(30分程度)、手が入れられるようになってから切れ目を手がかりに丁寧でなくていいので鬼皮のみを取ります。渋皮の栗は別の水を張った鍋などに入れておき、ここでも乾かさないこと。鬼皮の取り切れない部分は残しておき、水を替えて洗っておきます。この時に無理に渋皮の厚い溝の部分は取らない方が傷になりません。
続いて、水に入れた渋皮の栗をゆっくりと温度を上げながら栗が踊らない程度の火加減で沸騰させて、火を止めて冷めるまで置きます。これで厚い溝の渋皮を取りながら、癒着している渋皮や鬼皮を取りますが、ここで取りきれないものは弾いておかないと固い渋皮煮の原因となります
更に水を替えて、今度はちゃんと火を通します。30~50分ぐらいかかるかな。この時グラグラと煮立させると栗はバラバラになるので、火加減は注意です。砂糖を加える前のこの時の火加減が一番重要です。
砂糖の加え方ですが、3回程度に加えるのは正しいわけですが、加えるタイミングが一番重要です。鍋を火から下ろして、熱いうちに仕上げ量の1/2の砂糖を入れて溶かし、その後に栗に水が被るように差し湯をしておきます。鍋を一晩かけて冷ますと味が染みていくのですが、ブランデーやコアントロー(オレンジリキュール)等は1回目の加糖時には入れてはいけません。全部香気成分が飛んでしまうので。
一晩置いて完全に冷めた鍋を加温して、栗が踊らない程度の火加減で沸騰させ、中心温度が上がりきってから10分程度してから、火を止めて残りの砂糖のさらに1/2を加えます。同様にゆっくりと鍋を冷ますのですが、栗が露出しないように十分注意します。
最後に3回目の加糖ですが、同じように火を止めて入れて冷まします。瓶詰め等にする場合に煮汁が濃すぎる場合、あるいは、崩れた栗で煮汁が濁った場合には、場合によっては2回目までの水を捨てて別の鍋で煮直すのも手ですね。このとき、予め同じ糖度の煮液を用意しておき、少しぬるま湯の状態に栗を入れれば問題はありません。最後の加糖後も栗が顔を出さないように注意します。ブランデーの場合は火をかけている最中に、コアントローは火を止める直前に何れも最後の加糖前に入れれば香気成分が飛びませんし量も最低限で済みます。安いブランデーほど早めに入れる感じかな。
加糖に蜂蜜を一部使う場合だと、3度目よりは2度目が良いと思います。
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