学校給食や、病院、飲食店などが参考にしているものに、現代栄養学の結果である食品成分表があります。カロリーやタンパク質、脂質をバランス良く取りましょうというアレです。しかし、この基準となる数値は文明開化とともにヨーロッパから輸入されてものであるということはご存じでしょうか?高温多湿で季節感のある日本と違って、料理にも季節感がない欧米とは基本的に基準が違うのではないか、こういう疑問を投げかけている方がいます。
ヨーロッパは水がないから、また、やせた土地であったから小麦の文化ができました。小麦は連作できないので牧草を植え、羊などを放牧し、結果として牛乳という高タンパクを手に入れました。保存のためにチーズを考えましたが、内陸なので塩は岩塩です。
これを日本がまねたところ、日本では牧草が育ちすぎてしまい、早めに刈らないといけませんから、放牧は高地以外では発達しませんでした。水が豊富なので、わき水等で稲を作りました。水に強い大豆をタンパク質として、また、湿気がおおいから麹もできて味噌などの発酵食品として成長しました。海に囲まれているので海の塩を使い、蒸発するときにできた副産物のにがりは、豆腐という優れた食品を生みました。
今、食の安全が問われています。海外の食品すべてが安全でないとする意見もありますが、これは極端としても、日本の食材をもっと使って欲しいものです。地元の食品、あるいは日本の食文化を受け継いだ遺伝子が、外国流の食べ方によって成人病などを生んでいる事実に気づくべきだと思います。
ご飯とおかずを口の中で混ぜて噛むという食べ方は日本独特なものだそうです。外国では、スープを食べ終えて、サラダを食べ終えて、メインディッシュを食べ終えて、デザートというように、1つずつ食べます。ご飯という主食、つまり、他のものの味を生かしながら食べる食べ物は海外には無いようです。
ご飯を食べると太るという方がいます。おかずをたくさん食べて、栄養をとっておきながら、ご飯を食べたら、栄養過多になってしまいます。それに現代栄養学のいうバランスについていえば、遺伝的なものとして、古くからの日本人体質の人はやせ気味と思いますし、適応ができた人は同じだけ食べても太ってしまう。つまり、人それぞれの栄養の摂取量があるんだと考えるとわかりやすいと思います。
欧米の人のように、コース料理よろしく、おかずだけを食べると、栄養を効率よくすべて摂取してしまいます。正確には特定のものだけを摂取してしまうと考えると良いと思います。日本のまぜこぜの食べ方は、ご飯というクッションを通して食べることで、栄養が胃から同時に摂取されます。正確には唾液の酵素で分解が始まるわけで、日本人の胃にはこの方が優しい。
まして腸が長い日本人は、すごく吸収する力をもっているのです。ゆっくりと吸収するには、胃の中で混ぜるのではなくて、口の中で混ぜて、胃に負担がかからないのが望ましいようです。高カロリーは食べ過ぎると起きます。ごはんも食べ過ぎると同じですが、おかずの量を減らして、体調に合わせてご飯を食べた方がダイエットには向きます。欧米文化である間食、スナックなどのお菓子は塩分と脂質が多いです。果物などの方がダイエットには向いているわけです。昨今の果物は甘すぎますから、在来のものを食べた方がカロリーの面からはいいと思います。