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2003.10.24(金) 晴れ@栂池
加工場を作るには 以下はやや専門的な話。
初日23日のお話しは、長野で農産加工を長くされている方で、小池さんといいます。この方は全国で最初に野菜の直売所を作るのに関わった人で、それが実は千葉だったりします。千葉は成田線沿線の行商があったので、売りに行くという農業の別の形に素直に入れたと言います。うちの祖母も三河島まで行商に歩いていました。重い時で80kgぐらいの行商籠を担いで、一番電車に乗って売りに出ていました。
2日目のお話しは、町田で加工をされている西さん。実際の苦労話などいろいろとお聞き出来ました。
直売所の話、加工の話、その他もろもろ…。話の中で出てきたキーワードだけ並べてみても、以下のような感じです(私の主観が大部入っていますのでご注意を)。
- 安全を求める…2年前までは全体の1割程度しか裏面の表示を見なかった。今では9割の人が、つまり男性でも裏面(商品名・産地・消費期限・量目)を見る時代
- 本物志向/健康ブーム…大手も参入してきている状況である。差別化=個性を持つことが必要。作り手の顔をどう見せるかが鍵
- 食品のブティック化、つまりは高級志向。一方では中国産などの安い素材を商社が輸入。
- 健康をキーワードにマスコミからの情報が氾濫…以前は爆発的な売れ方の後にブームが去るの繰り返し。今は「静かなブーム」
- 直売所が生き残る道として、センス向上とニーズの把握、市場価格を形成する人からの視点。
- 国産の素材を売る。流通のためのキーマンとなる人材をどう求めていくか。
- ながめに来た客、買い物に来た客を見分けるセンス
- 調理方法をつけた野菜。抱き合わせ販売。客層にあった商品。
- デフレ…余分なものは買わない。でもいいものは欲しい。でもいいものが何か判らない。
- 技はあるが作るのが面倒である:食べたいんだけど作り方を知らない。何れにしても主婦のニーズがキーになる。
- 「食べる」とは何か?
- ○○県フェアが廃れない理由は何であるか?
- 子供の目は正直であるということ。価値あるものを価値ある形で提供するのが「正直」への道。「個」である必要性。
- 縁…1:1ではなく、n:mの交流。全体の2割のお客さんをターゲットにしても、「正直」であれば残りの8割はだまっていてもやってくる。
- 売るのは「真心」…ものをお金にしない。素材にも真心を。
- 心のあるところに立ち止まる
- 「和」を大切にする…共同作業であるということ。危険がつきまとう上に、食品をプロとして扱うことの自覚が必要。あとは和みの中で仕事をする。
- 我が家の家風を出すということ…グリーンツーリズムの考え方の基本となっている。
- ものを売るのに「無理」はしないということ
- 共販体制から個々の販売へ。「個」から「個」への販売。
- 責任の所在…食品加工の製造者、すなわちは加工所はすべての責任を負うことになる。PL保険は必須
- 固有記号契約…これにより、「製造者:aaa」から「販売者:bbbxx」の表示が可能。委託加工のための手段。他の農業者への配慮。ラベル等を自由に使える
加工所を立てるにあたっての具体的な注意点や、県によって人によって、また聞き方によって変わってくる認可の実体などそのほかにもいろいろな話が聞けたので、帰りの電車は消化不良気味。たまたま途中駅(無人駅だと思いますが)の真ん前に3反程度のブルーベリー畑を発見し、これからを思った栂池からの帰路でした。
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