●援農隊募集のお知らせ

天日干しのお米を作るには人手が必要です

 農園『花囲夢』では、稲刈りから籾摺りまでの作業を家族労働のみでやっています。ただ、父や母もここ数年足元が怪しくなってきています。無理しても仕方ないのでゆっくりしたペースでこれまでもやってきました。しかし、平成16年のように雨が続き、母親が膝の痛みで入院したなどとなると人手が欲しいというのが正直なところです。

 そこで昨年から、援農隊を募集しようということになりました。良くある稲刈り体験と同じかもしれませんが、一応ちゃんとした労働力としてお願いをします。日当は現金では出ません。お昼、10時と3時のおやつに加えて、天日干しのお米10キロ分相当を進呈します。これは丸1日働いて戴いた場合の話ですので、作業量により相談いたしましょう。その他の商品や野菜などとの交換でも構いません。いや、タダでもいいから働かせてという奇特な方の分はホームレス支援の団体にお米を寄贈させていただいています。


 稲刈りから籾摺りまでの作業というのは、こちらを見て戴ければある程度はわかると思いますが、作業の種類と量は結構あるものです。例えば、バインダーでの稲刈りにしても、(1) 機械が入るまでの進路の手刈り。(2) 手刈りした分の「まるき」。(3) 倒伏した稲の揃え。(4) 結束不良等の「まるき」直し。(5) 一部の稲束の邪魔にならない場所への移動。などがあります。

 同様に、稲刈り翌日(あるいは当日)は、必要に応じて「稲架がけ」や「かっ干し」の作業があります。天気が続く場合には、稲架がけをしないこともあります。かっ干しも、半日から1日の間で稲束を揃えてひっくり返す仕事が待っています。

 稲こぎ作業では、稲束を集めて機械まで運んだり、籾の袋を農道まで運ぶ作業があります。はっきり言って結構な重労働です。単純な作業ですし、我々も休み休みやるようにしています。でないと1か月続きませんから。また、人数が多くいれば「藁まて」もその日のうちに同時に進められますから、雨で藁が片づけられないということもなくなります。

 庭での天日干しでも、籾を納屋から運んで袋から出したり、逆に戻したりの仕事が続きます。必要に応じて乾燥機への張り込み作業もあります。複数枚の田んぼがあるので、稲刈りから庭干しまでの作業は、同時にこなすこともあります。

 籾摺り時は、できた玄米を蔵まで運ぶ作業があります。たいてい籾摺りは雨のときになります。


 とかく、稲刈り体験というと体裁を重視した体験ばかりがありますが、今回お願いするのは、我が家での素のままの農業体験です。今どきこのようなやり方は減っていますから、ちょっと珍しいかなと思います。やってみようかなという方は、あらかじめメールお問い合わせフォームにてご相談ください。突然「体験したいんですが」と来られても食事の準備等もありますから、前日ぐらいまでに事前に連絡をいただければと思います。

 参加資格は特に問いません。ただ、農機の側での作業は、充分に気を付けないと思わぬ怪我をしてしまいます。なので小学校低学年以下のお子さんの参加はご遠慮ください。また、お子さんと参加されるのであれば、親御さんが責任を持って戴きたく思います。尚、危険を伴う機械を使っての作業を援農隊のみなさまにお願いすることはありません。

 平成20年も雨続きで、援農隊のみなさまに大変お世話になりました。日経の土曜版に載ったこともあって、大勢の方々にお越しいただきました。おかげさまで無事に作業を終えることができました。我が家のお米は、大変多くの方々に支えられてできているものです。今年は家族のみでは終わらなかったのではないかと思います。私もみなさまに感謝して毎日のごはんを戴いております。労働の対価としての農産物はこれほどおいしいものはないです。

 今は何をしたらよいか迷う時代です。頭で考えるより体で考える方が素晴らしいことに多くの方々に気づいて欲しいです。援農に来られたある方との話ですが、大学生・高校生やフリーター等、若い人たちにも本当の農業を経験してほしいものです。その方の言葉を借りると、日本は徴兵制ならぬ「徴農制」を作り、成人する20歳までに240時間働かないと単位をあげない制度を作るべきだと言っていました。私もそれが真の教育であり、農家でしか教えられないことがたくさんあると思っています。また教室でなく青空の下で、世代も職も違う人同士で同じ作業をすることを通じて、本当の意味での「働くこと」が体験でき、互いに学びあい教えあうことができるものだと思っていて、市内の小中学生の農業体験等も受け入れています。

●開催概要

・お願いしたい期日…基本的に作業の集中する9月1日から末までですが、ご希望があれば1年を通して受け入れていますのでお問い合わせください。雨だと作業のなくなるときもあります。
・作業して戴く時間帯…朝は、露が切れる8時半か9時頃から、夕方は日没ちょっと前まで。半日でも可。応相談。土日だけでなく平日もOKです。
・服装等…帽子、長袖、長ズボン。場合によって長靴等。着替え、タオル手ぬぐい等はお持ちください。ある方はマスク。ジーンズ等の多少汚れても良い格好でお願いします。もちろんお風呂は沸かしておきますので、ひとっ風呂浴びて帰って下さい。
・体験費用等…特に必要はありません。お昼の食事などはこちらで用意します。
・謝礼等…お昼の食事。10時、3時のおやつ(自家製の果物など)。(時間の許す方は)夜の食事。その他5kg〜10kg程度の天日干し米!(あるいは穫りたての野菜など)
・その他…駐車場は2台程度までは大丈夫です。貴重品等はできるだけお持ちにならないようお願いします。また籾のホコリがすごいです。地元の方言で「はしこい(走こい)」というぐらいにチクチクします。手ぬぐいやマスク等で完全防備しても、結構服の中に入りますから、襟元が開いている服や半袖などで参加されることはご遠慮ください。着替えをお持ちになり、シャワー等を浴びて帰るとよろしいかと思います。


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