●ブルーベリージャムづくり |
ブルーベリーは、アントシアニンとともにペクチンを多く含んでいて、ジャムづくりはとても適しています。生果でも冷凍のものでも市販のものにはない100%のジャムを作ることができます。 ブルーベリーのジャムの場合、実の形を残したフルーツソースに近いプレザーブスタイルのものが風味も良くて人気があるようです。 ブルーベリーは、品種系統と粒の大きさによって、甘味・酸味・ペクチンの量が異なります。国産の大粒生果を使用する場合、時期によって、 ・ハイブッシュ早生−甘味強い−大粒−ペクチンやや多い ・ハイブッシュ晩生−酸味強い−大粒−ペクチン多い ・サザンハイブッシュ−甘味と酸味のバランスが良い−大〜中粒−ペクチンやや多い ・ラビットアイ早生−時期によって味がぼけやすい−大〜中粒−ペクチン多い ・ラピットアイ晩生−甘味が非常に強い−中〜小粒−ペクチンやや多い のようになります。 実際には栽培環境や個々の品種、受粉状態、天候により上記に当てはまらないケースも出てきます。好みの果実を冷凍しておいてブレンドするのも面白いと思います。 ブルーベリーを生のまま使用するか、冷凍果を使用するかによっても作り方は変わってきます。フレッシュな果実だけでなく、冷凍果はいつでも新鮮なジャムを作ることができますし、上記のように品種別の特性をうまく利用して、収穫時期の違う果実を冷凍しブレンドすることで、ひと味違ったおいしいジャムを作ることが可能です。 ・ブルーベリー 1kg ・グラニュー糖 400g 煮詰めることで水分が2割程度は減ります。出来上がり量は140ccのジャム瓶で7本分以上はできあがると思います。グラニュー糖の量については、甘みと酸味のバランスによって、適宜増減してみてください。 ブルーベリーの甘さに応じて、グラニュー糖の量は加減する必要があります。ただの甘いだけのジャムではおいしくないですから。糖度が同じであっても酸味が多い実の場合には、加えるグラニュー糖の量を増やした方が自然な味に仕上がります。 糖度10%のブルーベリーならば、仕上がり糖度は45%前後になると思います。 (煮詰めによって20%程度の水分が減った場合) 1,000×10%=100g 100g+400g=500g 500÷(1,400−280)=44.6% ブルーベリーは、杏や苺と並んで、それ自身がペクチン質を非常に多く含んでいます。小粒なブルーベリー(概ね4ミリ以下)のみでブルーベリージャムを作ろうとするならば別途ペクチンを加える必要がありますが、通常は必要がないといって良いでしょう。 ジャムを果実の形を残したプレザーブスタイルにするのか、ペースト状にするのかによって変わってきます。プレザーブスタイルにしたいなら、解凍しない方がよいと思います。とはいっても、ある程度解凍していかないと鍋の中で固まってしまうので、実同士がばらける程度までは解凍が必要です。加水は行わない方が濃厚なジャムになりますが、どうしてもという場合には、ほんの少量加えるのは構わないでしょう。 果実の形を残すプレザーブスタイルの場合、実を締めて仕上げる必要があります。とはいっても小粒のみでは締まりすぎてしまい、おいしいプレザーブはできないので、プレザーブスタイルにするには大粒果を使用することになります。冷凍果の場合には、実がばらける程度に解凍された状態になったら、生果ならば火にかける前に全量のグラニュー糖をブルーベリーにかけ、実を壊さない程度に混ぜておき、水分が出てきてから暫くの時間放置しておきます。これによりブルーベリーの内部と外部の浸透圧の差が少なくなります。この状態で加熱していくと実が壊れることなく形を残したジャムにすることが可能です。プレザーブスタイルでないのならば、加糖のタイミングは沸騰してアクがあがってからとなります。 ブルーベリーは丁寧に選果されているものでしたら、さっと洗う程度で下準備はおしまいです。選果されていない、自分で摘み取ったもののような場合ですが、以下をポイントにすると良いでしょう。 瓶詰めと滅菌の詳細については、「杏ジャムのつくりかた」の方を参考にしてください。 いわゆるネジこみ式のキャップは開きにくいです。ツイスト式のものもメーカーによっては開きにくいものがあります。いちばんいけないのは、瓶詰め時、あるいは、食べる時に瓶のまわりにジャムがついてしまったのをそのままにしてフタをすることです。これでは取れなくなりますね。 包丁等で叩いたりする方法もありますが、手っ取り早いのは熱湯(火は止めること)に逆さにしたジャム瓶のキャップのみをつけて、1〜2分おくことです。これで意外と簡単にキャップはゆるむと思います。キャップの角を叩くとビンが割れたりしますし、再利用も利かなくなります。ちなみにキャップを再利用した場合には抜気による殺菌ができていないと考えてください。ビンと接するウレタン質の部分が硬化していて、微細な隙間をもっています。いちばん良いのは、食べる分ずつ小瓶に入れることですね。 こればかりは、経験して覚えてもらうよりないです。ブルーベリーは色が濃い上にペクチン質も多いので、慣れないと煮詰めの判断は難しいと思います。できあがったものが固い場合にはトースト等に、ゆるい場合にはヨーグルト等でご使用になれば良いと思います。煮詰めすぎると風味は消えて固さが増えます。加糖を多くするのも1つの方法ですが、今度は糖度が高くなってしまいます。ゆるい場合にはペクチンを使ったことがある方は加えても構いませんが、市販品と同じ「増量もの」になってしまって、てづくりジャムの意味がなくなってしまいます。 私の判断方法ですが、あくまでも時間は目安としておいて、シャモジの通り具合とジャムの照りなどを見て判断しています。 |